インタビュー後編
コンサルティングのスーパーバイザー 小口善左衛門さんにインタビュー!
小口さん自身が幼少期にマイノリティであったことや学生へのメッセージをお聞きしました。
前編では、小口さんの仕事に対する熱意を知ることができます。
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小学校では問題行動が多く精神科に通っていた
社会的マイノリティ当事者の方と関わりはありますか?
皆様の言う社会的マイノリティに当てはまるかはわかりませんが、私は小学校の時にいわゆる問題行動が多くてですね、精神科に通わされていました。
昔は今みたいにADHDなどの言葉もなかったので、一括りに「精神病だ」といわれて病院に通っていた経験があります。
今考えてみても、相当な問題児だったと思います(笑)
ADHDのような行動があったとのことですが、当時のことは覚えていますか?
そうですね…。当時は、”自主登校・自主下校”してましたね。
特に自主下校が多かったですね。
他には、“いじめる人”がすごいイヤだった記憶があります。
自分は体もたいして大きくなかったので、“いじめている人”に対して武器を使って暴力を振るってしまいました。
上級生にに対してもやっていたので通学班は一人とさせられ、“史上最年少の班長さん”になりました(笑)
こんな感じで本当に散々で、歴代の全校長先生にお会いしてお説教を受けましたし、職員室で正座なんて数えきれないというような感じでした。
問題行動を止め、素直になれたきっかけ
その経験をして今感じることはありますか?
一般的なマイノリティか否かは別としても、その時は自分自身がマイノリティでした。
それからいろんなことがあって、曲がりなりにも仕事をすることができて、会社をみんなと立ち上げ、その代表もさせてもらうなど、自分を振り返ると今までいろんな人たちのサポートを受けながら生活をしてこれたと思います。
問題行動を止めることができたのはなぜですか?
中学に入ったときに、剣道部に入れさせられたことですかね。
それまでは運動が全くダメだったんです。
基本的には運動が大嫌いでしたが、剣道部の顧問から「剣道部に入れ」と言われて、入りました。
顧問は最初はとてもいい人で、剣道のスペシャリストで優しい兄貴みたいな人でした。
私は一人っ子だったので、兄弟がいるのがどんな感じかを知らず、兄貴がいるってこんな感じなんだと思いました。
でも剣道となるともう、とてもきつくて厳しかったです。
何度も叱られ、練習はとても厳しかったのですが、それのおかげで自分自身強くなれました。
その時に初めて、今まで親とか学校の先生に“叱られた”ことがなかったんだなと感じました。
顧問の姿が、なんの迷いもなく我々のことを愛しているという感じがしました。
口で言われなくても感じました。
親からもそのようなことを感じたことがなかったので、初めて100%の愛を受け取れた剣道部での経験が、自分自身に素直になり、変われたきっかけの一つではないかと思います。
剣道でもマイノリティを感じて困ったことはありましたか?
私は小学校の頃、靴ひもが一切結べなかったんです。
結ぶ時に、どこがどうなっているのかを一生懸命考えてしまって結べませんでした。
剣道はありとあらゆる見えない箇所の紐を結ばなくちゃなりません。
特に面の後ろの紐です。あれがもう結べない結べない(笑)
でも剣道の先生に色々言われながら結び、なんとか結べるようになりました。
社会人になって精神科の専門家にその時のお話をしたところ、剣道で何回も何回も見えないところを結んだことが今まで動いていなかった脳の刺激になってよかったのではないかとおっしゃってました。脳波の刺激となる色々な説の一つを教えてくださいました。
社会人になり、マイノリティを抱える当事者の方と関わることはありましたか?
会社にもADHDの症状がある社員が実際にいましたが、そういうことで区別する必要はないと思っています。
そういう面があるということは認めつつも、区別や遠慮せずに、できないと決めつけずにまずはやってみようと言い、その中でできないことも出てきたときに、「これができないんだね。」じゃあこっちをやってみようと提案してみます。
自分の得意なことを見つけるためにも、あまり遠慮せずにいろんなことをやってもらった方がいいと思います。
失敗があってもいいからいろんなことをやってみる。
できない部分を補うために“みんなで”仕事をしていると思っているので、それは周りの人がサポートしていけばいいと思います。
区別なく色々やって、その過程でいいところをその人にも発見してもらい、私たちも発見していく。
それが双方にとってもいいことなのではないかと思いますね。
学生時代に大変だったことは何ですか
やっぱり剣道ですね。
初めてスポーツをして、何事も真面目に毎日やらないと、やっぱりダメなんだなと思いました。
先生が怖かったのもあり、何度も逃げ出したいと思いましたが、段々とできるようになってきてとても面白くなり、興味が湧いて続けることができました。
この年になって「あれを乗り越えたから大丈夫だな。」と思う事はありますね。
あの時に逃げ出さずに一つのことを乗り越えたことが、今の自信になっているのだと思います。
大学生のうちにやっておいた方がよかったと思うことは何ですか
後悔しているのは大学で剣道を真剣にやらなかったことです。
もし戻ることができるのなら、剣道を“がむしゃら”にやればよかったと思いました。
私の場合は剣道ですが、なんでもいいので一つのことを“がむしゃら”にやってみることですかね。
大人がよく言っている「勉強しておけばよかった」とは思いませんね!
遊んでいいと思いますよ。
ですが、本を読んだり一般教養を学ぶのは大切だと思います。
今頑張っている学生に一言お願いします!
「想えば叶う」です。何事も“想いの強さ”だと思います。
知識や経験の差ではなく、その人が持つ“想いの強さ”こそが全てであり、そのものが世の中を変えていくと思います。
これからみなさんの想いがくじけそうになった時、「そんな甘いもんじゃない」と言われたり、「それはこうあるべきだ」とおじさんやおばさんに言われた時には、“無視する”ことも大切だと思います。
そう言われたことを原因に、自分の想いの熱量を下げる必要はないと思いますよ!
編集後記/ライター:Miyu
最後の「想えば叶う」という言葉が心に残りました。
なかなか強い想いをも持ち、それを貫くというのは大変なことだと思いますが自分の中に確かな想いを持っておくことが自分の人生の中の強い支えになるのかもしれませんね。
素敵なお話をありがとうございました!
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